鼻パッドがない眼鏡「NEOJIN」のレビュー
2年ぶりの更新。どうにか生きています。技術ネタは最近Zennに書きがちなので、ここはそれ以外のことで使っていくかもしれません。
いろいろあって、1か月ほど前に特殊な眼鏡 NEOJIN に新調しました。それほどネットに情報がなかったこともあり、感想や注意点を書き残そうかと思います。結論から言うと良い買い物でした。
NEOJINとは
鼻パッドが無く、代わりに頬の上あたりで押さえる眼鏡です。公式ページ:http://www.neojin.jp/
私の眼鏡はこんな感じです。
私がこれを選んだ経緯は最後に述べることにしますが、つまるところ鼻パッドがないという点がすべてです。
利点と欠点 先にまとめ
利点は鼻パッドがないこと、それだけです。正直、ほかは欠点が目立ちます。 NEOJINを使うと、逆に主流の鼻パッド式がいかに素晴らしいか、究極のものであるかを思い知ることになります。それでもなお鼻が楽になることを優先するかどうかになります。
主な欠点はずれ・揺れです。NEOJINは屋内専用と割り切り、普通の眼鏡も併用することを勧めます。
利点
鼻パッドが無い
繰り返しになりますがこれがすべてです。鼻が完全に解き放たれる感覚は新鮮で、いかに重かったかがわかりました。また、主に女性の場合は化粧が崩れないといった利点もあるようです。
そのかわりに頬の上に当てるパッドが痛くないか、ということが気になると思います。私の場合は2,3日で気にならなくなりました。それまでは、こめかみ付近が痛いというか突っ張るような感触が続くと思います。頭痛持ちの方はためらう気持ちはわかります。
お店で短時間試着している限りは結構頬が違和感なので、そのまま「はい買います」と決めるには結構な勇気が要りました。数日貸してくれないだろうか・・・
眼鏡を拭くのが楽
鼻パッドによる出っ張りが無いので、レンズ2枚を引っ掛かりなくさっと拭けます。これも新感覚。
鼻パッドほどは汚れない
鼻パッドには皮脂がたまりやすく、放っておくと金具の隙間に緑青ができてしまったりします。頬でも当然汚れはつくのですが、鼻ほどは汗をかかないようで、汚れにくいと言えると思います。
欠点
揺れる
欠点の最たるものです。鼻パッドのすばらしさはこの点で思い知ります。
歩くと、足が地面につくタイミングでレンズが上下に揺れます。個人差や調整の具合等にもよりますが、確実に普通の眼鏡より揺れまくるので、NEOJINを買って帰った初日は酔いました。慣れとは恐ろしいもので、最近は他人と歩く際など注意がほかに向いていればあまり気にならなくなりました。しかし一人で歩くと今でも気になります。
歩く以上の行動(走る、自転車、スポーツなど)は私には絶望的に思えます。その場合は普通の眼鏡に変えましょう。
自動車の運転は、これも最初は厳しかったですが今は慣れました。路面状況や車種等のコンディションにもよります。
家の中ではおおむね快適です。掃除や子供の相手など動きが大きいときにやや揺れるなと感じる程度です。
ずれる
私の場合は、家の中での利用でも時々下にずれてきて、都度かけなおしています。とは言っても鼻パッド式でもずれますから強い欠点とは言い難いですが、ずれたときの感覚はより欠点といえそうです。下にずれると、目の真下の頬にフレームが衝突し、冷たくてヒヤッとします。また、ずれ全開までは行っていなくても、笑ったり歯を磨いたりなど口を大きく開けるとフレームに頬がヒットすることがあり、これは地味に鬱陶しいことがあります。
NEOJINは鼻パッド式よりも眼鏡かけるのにコツがいりまして、始めからずれてかけてしまうことも多いです。慣れないうちは鏡を見ながらかけて、感覚をつかみます。
頬が濡れていると下にずれやすいです。汗をかいたり、顔を洗ったあとに完全に拭かずに眼鏡かける、等々の場合に感じます。夏場の屋外等ではしんどいかもしれません。この点も屋外利用に難ありです。
ずれやすさは調整によるところが大きいはずで、頬や耳で押さえる箇所をきつめにすれば緩和できるでしょう。当然引き換えに圧迫感・痛みが増します。私は緩さを優先したので、以上の揺れる・ずれる点に耐えている次第です。
マイナー
売っている実店舗はあまりありません。店舗へは眼鏡を作った後も調整などでまた訪れることがありますが、その場所はかなり限られることになります。
- 全国の取扱店|NEOJIN
- ここにリストアップしている店が全てではないらしいです。
- NEOJIN(ネオジン)鼻パッドのないメガネ専門ショップ ZERO-JIN - neojin specialty shop【ネオジン】
- 閉店等と書いていますが、まだそこそこの店舗は営業しているようです。よくわからない・・・
NEOJINはネットでも販売していて、直接取り寄せることもできます。大都市以外にお住まいであれば店舗に行くのが大変なので、この手段しかなくなってきます。この場合は調整は自分でがんばることになります。以下はAmazonの例です。
デザインが乏しい
これもマイナーゆえの話です。ごまんとある眼鏡店・眼鏡ブランドから選び放題の普通眼鏡と違い、ほんの限られた数種、多くてもせいぜい十数種くらいから選ぶことになります。
色などはまだしも、レンズの形や、レンズの周りのフレーム有り無しといったところは見え方に直結しますし、しっかり選びたい方はいるとおもいます。そこにはやや不自由があります。私個人としては、主に家用と割り切ったのもあり、デザインはほとんど気にしなかったので、困ることはありませんでした。
多少高い
私の場合は、フレームとレンズ合わせて 約20000円 でした。もし薄型レンズオプションをやめれば18000円程度が最安だったようです。
昨今は1万円を下回る眼鏡も珍しくないので、その感覚から言うとやや高いとは言えますが、まあまあ無難な価格とも思いました。
3万円やそれ以上するフレームもあります。
その他の注意事項
- 上記全て、私の感想なので、個々人により事情が異なれば体験も変わり得ることをご承知おきください。(顔の骨格、感覚、レンズの度、生活習慣、等々)
- 頬の上のパッドは、こめかみとは少しずれているので、食事する(もぐもぐする・咀嚼する)ときにレンズがずれる影響は小さいです(微妙には動きます)。人によっては骨格の具合が違って咀嚼でレンズが動きまくってしまうことがあるようで、試着したほうが良いです。
私の経緯
20年以上、普通の鼻パッドがある眼鏡を使ってきました。何ら不自由を感じたことはありませんでした。
ある日、不注意で床に眼鏡を置いて寝たのですが、翌朝1歳の娘にいじられて曲がってしまいました。眼鏡店で再調整をお願いしましたがどうもしっくり来なくなってしまい、都合7回くらい調整してもダメで、もはや何が正解なのか見失いました。かけていると鼻の骨がずきずき痛みます。調整が悪いというよりは、もう何かの神経症になったのかもしれません。
そして頻繁にいじっていたら鼻の皮膚が炎症を起こして皮膚科に行く羽目にもなり、常時鼻が痛くて何も手につかなくなりました。ということで鼻パッドから解き放たれたくなったという経緯です。
NEOJIN以外の鼻ソリューション
買う前は相当迷ったので、その成果も残しておきます。
コンタクトレンズ
まあ最初に考えますよね。これができる方はこっちの方が良いと思います。私は目薬が差せない人間なので無理かなと思い棄却。同様にレーシックなど、眼鏡以外の解決策もあるにはあるでしょう。
ほかの鼻が楽な眼鏡
他社にもいくつか製品があります。女性向けが多くて、男性で困っている人は相当選択肢が狭まる所感です。
4つ目のnosefreeは、鼻パッドは有りますが重さを後ろにかけて鼻を楽にするというものです。眼鏡市場は店舗が多いので、サポートの面では良いですよね。
マスクをする
急になんだそれはと思われるかもしれませんが、マスクをすると結構鼻パッドの負担が減ります。耳のゴムのせいか、またはマスクに眼鏡が少し乗ってくれる効果だと思います。
骨伝導イヤホンをする
私は普段SHOKZ OpenMoveを使っていますが、これも地味に効果があります。耳のところで眼鏡フレームを上にあげるようにイヤホンをセットすることで、鼻を浮かせます。引き換えに耳へのダメージが増すので一時しのぎではありますが。